腸活に物申す!大腸がなくても健康に暮らせる!ビヨンド

リトル田中
前の記事で、腸活やそれを謳う人々に対して、腑に落ちない点をいくつか挙げましたが、まだまだ言いたいことが残っています。そこで今回は、さらに深く切り込んでいきます!
題して、『腸活に物申す!』第二弾、始めます!

 

腸活で風邪やインフルエンザを防げる?他の効果も本当?

前の記事では、腸活が万能であるかのように誤解させる情報に対し、その効果に科学的根拠が乏しいことについてお話ししました。今回は、特に「腸活が風邪やインフルエンザにかかりにくくなる」といった主張に焦点を当てつつ、美容など他の腸活の効果についても深掘りしてみたいと思います。

「腸活」をすることで免疫力が上がる、美肌になる……うーん、ちょっと疑問を感じます。


腸活で「風邪やインフルエンザを防げる」は本当か?

まずは腸活で免疫力が向上し、風邪やインフルエンザにかかりにくくなる、という主張について。確かに腸には免疫細胞の約7割が存在し、腸内環境が免疫系に影響を与えるという考え方自体は理にかなっています。

しかし、「腸内環境を整える=免疫力が向上し、病気にかかりにくくなる」という主張は行き過ぎだと思います。

  1. 科学的根拠が弱い
    実際、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が風邪やインフルエンザの予防にどれほどの効果があるのかを示す信頼できるデータはほとんどありません。プロバイオティクス(乳酸菌など)を摂取して免疫が高まるという研究がある一方で、効果が見られなかったという研究も多く、結論は一致していません。
  2. 個人差が大きい
    腸内細菌の構成は人によって大きく異なり、同じ「腸活」をしても全員に同じ効果が出るわけではありません。実際に免疫力が向上するかどうかは、腸内環境や生活習慣、遺伝的な要因にも左右されます。
  3. 効果が長続きしない可能性
    仮に腸活が免疫力向上に役立ったとしても、その効果が一時的であるケースが多いことが指摘されています。例えば、乳酸菌を含む食品を摂取して腸内フローラが一時的に変化しても、摂取をやめればすぐに元に戻る可能性が高いのです。

大腸を全摘した私ですが、風邪やインフルエンザにかかりやすい訳でもなく、今でも免疫システムは働いているように思いますし、腸活は特にしていません。それは大腸がなくても、小腸やリンパ節、骨髄など他の器官が免疫機能を補完しているからだと思います。腸内環境が免疫に影響を与えるという話はよく聞きますが、免疫システムは腸だけでなく、全身の複雑なネットワークで成り立っています。腸活をすること自体を否定するつもりはありませんが、それだけで健康や免疫力をコントロールできるわけではない、ということは知っておいてほしいです。


美容・ダイエット効果も過大評価?

腸活が「美肌」や「ダイエット」に効果があるとするいうのも人を惹きつけます。腸内環境を整えるだけで肌がきれいになり、体重が減るなら、これほど簡単なことはありません。しかし、この分野でも実際の効果には疑問が残ります。

  1. 美肌効果の科学的証拠
    腸内環境が悪化すると、肌荒れやニキビが増えるという主張は、部分的には理解できます。例えば、腸内環境の悪化に伴い体内で炎症が起こり、それが肌にも影響を与える可能性はあります。ただし、これを逆手に取って「腸活すれば美肌になれる」という結論を導くのは短絡的です。美肌を保つために重要なのは、結局のところ、十分な睡眠、バランスの良い食事、そして適切なスキンケア。腸活だけに頼っても、劇的な変化は期待できません。
  2. ダイエット効果の誇張
    腸内細菌の種類やバランスが肥満に影響を与える可能性がある、という研究結果はあります。しかし、この分野の研究はまだ初期段階であり、「腸活でやせる」と言うのも無理があります。また、腸活がダイエット効果を持つかどうかは、食事全体のカロリーや運動量など他の要因に大きく依存します。

腸活で失敗しないために

腸活そのものを完全に否定するつもりはありません。健康的な食生活を送る中で、発酵食品や食物繊維を意識して摂取することは、腸内環境にプラスの影響を与える可能性があります。ただし、「腸活という行為だけで様々な良い効果がある」という認識は危険です。

以下のポイントを押さえて、腸活を見直してみましょう。

  • 過剰な期待をしない:腸活はあくまで健康習慣の一部に過ぎず、万能の解決策ではありません。
  • 基本的な健康習慣を優先する:十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動が、腸活以上に大切です。
  • 科学的根拠を確認する:SNSの情報を鵜呑みにせず、信頼できる情報源を基に行動しましょう。

重ねて結論:腸活はあくまで補助的な健康習慣

腸活が全く意味のないものだとは言いません。ただし、その効果はあくまで補助的であり、万能の健康法ではありません。「腸内環境を整えると健康になる」というキャッチフレーズに惑わされず、全体的な健康習慣を意識することが重要だと思います。

また、繰り返しますが、XなどのSNSの投稿を見ていると、腸活を謳う方がLINEへ誘導するケースが見られます。もし善意の情報提供であれば、投稿だけで十分なはずです。なぜ、わざわざLINEに誘導する必要があるのか、疑問に思います。

さらに注意したいのは、病気で悩んでいる人やその親族が、少しでも良くなる可能性を求めてどんな情報でも信じたくなる場合があるということです。実際、私自身も潰瘍性大腸炎に悩み、ネットの情報を頼りにさまざまなサプリを試してみた経験があります。しかし、期待したような効果は得られず、かえって無駄な出費や失望感を味わう結果になりました。このような体験から、慎重に情報を選び、過度に信じすぎないことの重要性を感じています。

腸活はあくまで補助的な健康法の一環として取り入れ、情報源を冷静に見極めることが大切です。

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