潰瘍性大腸炎患者が『がん』になる確率
潰瘍性大腸炎になり寛解を維持したとしても心配なのが『がん化』です。
では潰瘍性大腸炎の患者のどれくらいががんになるのでしょうか?
下表は診断からの経過年数に応じた、大腸がんの発生率です。
*引用元:UC Tomorrow ファイザー株式会社
https://www.uctomorrow.jp/uc/progress.html
上の表に拠ると潰瘍性大腸炎診断から30年で大体 5人に1人が大腸がんになると読み取れます。
この情報だけだと診断された時の年齢がまちまちだと思うので何とも言えないですけどね。
因みに潰瘍性大腸炎ではない40歳の人が、60歳までにがんに罹患する確率は6.8%です。
仮に40歳の人が潰瘍性大腸炎になって、20年後の60歳の時に大腸がんになる確率を上の表の8.3%だとすると、1.5%ほど高いことになります。ただこれは全然単純比較できないデータによるものなので、あくまで仮定です。
私の『がん』の場合
ところで私が潰瘍性大腸炎の診断から盲腸がんの告知を受けたのが約1年経った頃。
単純に表に有る10年後の発生率1.6%を10で割れば0.16%。
潰瘍性大腸炎罹患者の600人に1人くらいの割合になります(笑)。
この計算は医学的根拠に乏しいものですが診断から1年でがんになることが珍しいのは間違いないでしょう。
『潰瘍性大腸炎』が先か『がん』が先か?
でも本当のところは分からないですよね。
潰瘍性大腸炎になる前にがん化していたのかも知れない。
最近私の身近な人ががんで亡くなっています。
私は大腸内視鏡検査時の生検でがんが見つかった。
潰瘍性大腸炎診断前にがん化していたのであれば、潰瘍性大腸炎になり検査したことによって奇跡的にがんが見つけられたとも解釈出来ます。
潰瘍性大腸炎で『がん』が見つかると大腸全摘になる
潰瘍性大腸炎でがんになるとがんが見つかった部分の切除に留まらず、基本『大腸を全摘出』になります。
これが潰瘍性大腸炎患者ががんを恐れる理由の一つだと思います。
『なんでがんは一部なのに大腸全部取らなきゃならないんだよ!』
そうですよね、私もそう思いながら大腸取りました(笑)。
全摘理由は主に下記です。
『潰瘍性大腸炎に罹っている大腸でのがん発見は難しく、他部においてもがんや高度異形成を産む素地が有ると考えれらること』
(ポリープ等になっておらず目視では分からない状態でがんが進行している場合が有ると言われています)
簡潔に言えば更なるがんへの予防的措置ということだと思います。
『がんが見つかった!切った。』その後、『またがんが見つかった!切った。』
確かにこれでは非常に身体への負荷が高いし、がんが進行した状態で見つければ生死の問題になります。
『なんで大腸全部取らなきゃならないんだ!』という思いに対し、『またがんが見つかったらどうするの?』という問いで、私自身全摘について冷静に考えられる様になり、今はこれで良かったのではないかと思えるようになりました。
潰瘍性大腸炎発症から1年程でがん化し、大腸全摘せざるを得なくなった40代商社マン。大腸全摘後も世界を飛び回っています(今はコロナで自粛中)。
潰瘍性大腸炎・大腸全摘手術をした経験やその後の生活を書き綴っています。
(時々熱い想いも書きます笑)